建築遺産演習2024

歴史と文化の交差点における実践的な学び

　四川省邛崍市に位置する歴史地区「平楽古鎮」にて、建築遺産の保存と観光管理をテーマにした実践的なプログラムを実施しました。平楽古鎮は南方シルクロードの水運拠点として栄えた多様な歴史と文化が交錯する歴史地区です。この地は「千メートル」以上の高低差を有する地形、「千年」以上の歴史を誇る文化、そして「千里」にわたる文化の道が融合する場所として知られています。急成長する観光文化整備とのバランスを保ちつつ、この歴史地区の伝統や魅力を守る方法を探求するために、学生たちは10日間にわたり以下の活動に取り組みました。

◆伝統的な建築と町並み調査：歴史地区内での伝統的建築や景観の観光化に伴う改変の現状を評価し、各通りに適した保存と改善方法について提案しました。

◆学びのある来訪者管理計画の策定: 地域の魅力を学び、体験することのできる観光を実現するために、地域内の歴史・文化リソースを収集し、来訪者の動線や参加型プログラムを提案しました。

◆水辺空間の魅力向上の計画策定：水運の拠点として歴史的に栄えたこの地区に横断する河川とそこから引き込まれた水路の周辺に展開する水辺や親水空間の現状分析と新たな楽しみ方を提案しました。

加えて、学生たちは以下のプログラムに参加し、日中の専門家や他大学の学生とともに遺産保護について意見を交わし、知見を深めました。

・四川－日本文化遺産保護学術交流シンポジウム

・日中青年建築遺産保護交流会

・東アジア歴史地区保護中日青年対話交流ワークショップ

これらの活動を通して、参加した学生たちは現場での実践的な経験を積み、遺産保護に関する多角的な視点の重要性の理解を深めました。伝統的集落の保存にあたっては、「歴史的価値の保存」×「住民生活の向上」×「来訪者の学び」のいずれもが重要であり、これらを共存し、また相乗的に向上することが期待されます。現地での調査を通じて、実務的な視座を培う場になりました。

历史与文化交汇处的实践学习

我们在四川省银安市历史街区平乐古镇开展了以建筑遗产保护与旅游管理为主题的实践项目。平乐古镇是一个历史文化悠久的历史街区，曾作为南方丝绸之路的水运枢纽而繁荣发展。该地区地势高差千米以上，文化已有千余年历史，文化之路绵延千余里。在十天的时间里，学生们进行了以下活动，探索如何保护这个历史中心的遗产和魅力，同时平衡快速增长的旅游业和文化发展。

◆传统建筑和街景调查：评估历史街区传统建筑和景观因旅游而发生的变化现状，提出适合各街道的保护和改善方法。

◆制定教育游客管理计划：为了实现让人们了解和体验该地区魅力的旅游，我们将收集该地区的历史文化资源，开发游客流线和参与项目。

◆ 制定提升滨水空间吸引力的规划：分析该地区历来作为水运枢纽而繁荣的河流周边发展的滨水空间和亲水空间的现状以及所绘制的水道并开发新的方式来享受我建议的。

此外，学生们还参加了以下项目，通过与日本和中国的专家以及其他大学的学生交流遗产保护的意见，加深了他们的知识。

・川日文化遗产保护学术交流研讨会

・日日青少年建筑遗产保护交流会

・东亚历史地区保护中日青年对话交流会

通过这些活动，参与的学生获得了该领域的实践经验，加深了对多角度遗产保护重要性的理解。在保护传统村落中，“历史价值的保护”×“居民生活的改善”×“游客的学习”都很重要，并且共存、协同提高是值得期待的。通过现场研究，我能够形成实用的观点。